令和7年12月に福岡国税局が公表した相続税の申告事績・調査事績を分析。申告漏れが増えている財産や、今後税務署が注目するポイントなどをわかりやすく解説します。
1. 相続税の申告は年々増えている【申告事績】
福岡国税局管内では、令和6年分の相続税申告は
-
申告件数・課税価格・税額すべてが増加
-
課税価格は 約8,284億円(前年比104.2%)
-
税額は 約967億円(前年比104.3%)
と、基礎控除が引き下げられた平成27年以降で高水準です。
👉 相続税は「一部の富裕層だけの話」ではなく、
一般の会社員・自営業者にも現実的な問題になっています。
2. 調査件数は減っても「追徴税額」は増加【調査事績】
一方で調査の動きを見ると、重要な変化があります。
-
実地調査件数:減少
-
しかし
-
申告漏れ課税価格:前年比110.5%
-
追徴税額:前年比112.6%
-
👉 つまり税務署は
「件数を絞り、その分、1件あたりを深く見る」方向へ
シフトしていると読み取れます。
3. 税務署が特に注目している財産とは
申告漏れ相続財産の内訳を見ると、目立つのは次の財産です。
-
現金・預貯金等
-
有価証券
-
土地
特に令和6事務年度では、
現金・預貯金の割合が高止まりしています。
👉
-
名義預金(親のお金を子名義で管理)
-
生前の資金移動の記録不足
といった点は、今後も重点チェック対象と考えられます。
4. 「簡易な接触」が急増している意味
最近増えているのが、
実地調査ではなく「簡易な接触」 です。
-
電話や文書での問い合わせ
-
軽微な申告漏れ・計算ミスの指摘
令和6事務年度は
-
接触件数:前年比125%
-
追徴税額:前年比336%
👉
「調査」と聞く前に、
ある日突然、税務署から連絡が来る可能性が高まっている
ということです。
5. 今後、相続で特に注意すべき5つのポイント
申告事績と調査事績を踏まえると、今後の注意点は次の5つです。
-
現金・預貯金の管理状況
-
生前贈与と相続の区別(7年以内贈与など)
-
名義と実態が一致しているか
-
不動産評価の妥当性
-
「申告したから終わり」と思わないこと
➡ 節税とは、
無理に税金を減らすことではなく、余計な追徴税を払わないこと
だと言えます。
6. 相続税で後悔しないための行動指針
-
相続財産を早めに棚卸しする
-
お金の流れを説明できる状態にしておく
-
判断に迷う部分は自己判断しない
特に、相続が発生する前後で不安がある場合は、
相続税・贈与税に強い専門家へ早めに相談することが、
結果的に一番の安心と節税につながります。








