「毎年きちんと法人税申告をしているから安心」
そう思っている経営者の方も、最近の税務署の動きを知っておくことが大切です。
福岡国税局が公表した令和6事務年度の資料を見ると、
法人税の申告額は過去最高となる一方で、
税務調査では「内容のチェック」がより厳しくなっています。
法人税の申告状況はどうなっている?
まずは申告事績です。
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法人税の申告件数:約16万件(前年比101.9%)
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申告所得金額:約2兆4,494億円(過去最高)
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申告税額:約4,707億円(前年比3.3%増)
➡ 黒字企業が増え、会社全体として「稼いでいる」状況が見えます。その分、税務署の関心も高まっていると考えられます。
税務調査は「件数より質」の時代に
次に調査事績を見てみましょう。
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法人税の実地調査件数:2,784件
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そのうち申告漏れがあった法人:約78%
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調査1件あたりの追徴税額:約202万円
➡ 調査件数は横ばいでも、「問題がありそうな法人」を狙って調査しています。
不正やミスが多いポイントは?
不正の内容を見ると、次の点が目立ちます。
収入の問題
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売上の計上漏れ
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雑収入(助成金・補助金など)の除外
経費の問題
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架空外注費・架空経費
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実態のない経費計上
➡ 特に経費関係は、全体の約5割を占める重点チェック項目です。
今後、特に注意したい法人のタイプ
調査事績から、今後注意すべき法人像が見えてきます。
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黒字だが利益が急に増えた
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現金取引や外注が多い
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消費税の還付申告をしている
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海外取引や国外送金がある
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実態があるのに申告していない(無申告)
特に無申告法人への追徴税額は、**前年比約1.9倍(約3億2,500万円)**と急増しています。
消費税・源泉税も見られています
法人税だけでなく、次の税目も要注意です。
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消費税 還付申告法人の調査で 約6億円 の追徴
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源泉所得税 非違があった事業者の追徴税額:約9億円(前年比131%)
➡ 給与・外注費・報酬の処理は、法人税とセットで見直されやすいポイントです。
まとめ:最大の対策は「日頃の整理」
最近の税務調査から分かることは、とてもシンプルです。
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税務署は「数字の動き」を見ている
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申告していても安心ではない
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節税よりも「説明できる申告」が重要
無理な節税より、正しく申告し、余計な追徴税を防ぐことが最大の安心につながります。
少しでも不安がある場合は、早めに専門家へ相談することをおすすめします。








