― 税金を安くする前に、絶対にやるべきこと ―
相続対策と聞くと、多くの方はこう考えます。
・生前贈与をする
・生命保険を使う
・不動産を組み替える
でも、実は――
**相続を節税しつつ円満に解決する最大の施策は
「家族仲を円満にしておくこと」**です。
なぜなら、相続税を劇的に安くできる特例は、
相続人全員の同意があって初めて使えるからです。
家族が揉めると、税金は高くなり、心もバラバラになります。
なぜ「家族仲」が節税になるのか?
例えば、有名な特例があります。
■ 小規模宅地等の特例
亡くなった方の自宅の「土地」は、
一定の要件を満たせば最大80%減額できます。
例)1億円の土地 → 2,000万円評価で計算
しかし――
この特例は、遺産分割が確定していないと原則使えません。
相続税の申告期限は原則10か月。
その時点で揉めて分割が決まらなければ、特例が使えない可能性があります。
※救済制度(3年以内の分割見込書→更正の請求)もありますが、
実務は非常に複雑になります。
つまり、揉める=税金が高くなるリスクなのです。
円満かつ節税するための「正しい順番」4ステップ
順番を間違えると、かえって争いの火種になります。
STEP1|現状分析(相続の健康診断)
まずは現状を知ること。
・相続税はいくらかかるのか?
・基礎控除(3,000万+600万×法定相続人)を超えるか?
・納税資金は足りるか?
体重を測らずにダイエットを始めないのと同じです。
STEP2|遺産分割対策(最重要)
ここが最大の分岐点です。
■ 配偶者の税額軽減
配偶者が取得した財産は、「1億6,000万円」または「法定相続分」まで無税。
ただし「全部ゼロ」とは限りません。
■ 小規模宅地(居住用は330㎡まで80%減額)
※対象は建物ではなく「土地」です。
ここで最も大切なのが「二次相続」
例えば遺産2億円の場合。
一次相続で「全部お母さんへ(税金ほぼゼロ)」とすると――
将来の二次相続で子どもが高額な税負担をすることがあります。
一次と二次を合計すると1,000万円以上差が出るケースも珍しくありません。
一次だけ見て判断してはいけない。必ず“次の相続”まで見る。
これが本当の節税です。
■ 遺言書は「最後の手紙」ではありません
遺言は何度でも書き直せます。
新しい日付が有効になります。
暫定でもいい。まず形にする。
それだけで、残された家族の争いを防げます。
STEP3|評価引き下げ対策(財産の組み換え)
代表例が生命保険です。
■ 500万円 × 法定相続人 の非課税枠
ただし条件があります。
✔ 受取人が「相続人」であること
✔ 契約設計を間違えないこと
保険は節税だけでなく、納税資金の確保にもなります。
STEP4|生前贈与(最後に、慎重に)
ここで大切なことは2つ。
① 分割方針が決まってから行う
闇雲な贈与は不公平感を生みます。
② 名義預金に絶対注意
・子の口座だが通帳は親が管理
・本人が自由に使えない
これは税務調査で「実質的には親の財産」と判断されます。
贈与は必ず
・贈与契約書を作成
・双方の合意
・受贈者が自由に管理
ここまでやって初めて成立します。
結論
相続対策の王道は――
-
家族で話す(円満)
-
分け方を決める(遺産分割)
-
特例を活かす(評価引き下げ)
-
正しい贈与を行う
節税はテクニックではありません。
順番を守ること。
家族を守ること。
それが最大の節税策です。
不明なことがあれば、
気軽に当事務所へご相談ください。
「相続税・贈与税に強い」体制で、税務と家族の両面からサポートします。








