令和8年分の路線価が公開されました。福岡国税局管内の福岡・佐賀・長崎について、令和7年分との比較や相続税・贈与税への影響を、わかりやすく解説します。
令和8年7月更新。国税庁・福岡国税局の公表資料をもとに作成しています。
令和8年分の財産評価基準は、令和8年1月1日から12月31日までに相続・遺贈・贈与で取得した財産評価に使います。
令和8年分の路線価が公開されました。
路線価とは、相続税や贈与税で土地を評価するための基準です。
「土地はいくらで見るのか」を考える出発点になります。
福岡国税局管内では、福岡市中心部だけでなく、佐賀市や春日市でも目立つ上昇がありました。
土地を持つ方にとっては、相続税・贈与税の試算を見直す良いタイミングです。
目次
- 路線価とは
- 福岡国税局管内の注目ポイント
- 令和7年分との比較
- 相続税・贈与税への影響
- ケーススタディ
- アクションプラン
1. 路線価とは
路線価は、道路に面した土地の1㎡あたりの評価額です。
国税局は、相続税や贈与税の申告で使いやすいように、毎年公開しています。
福岡国税局も、令和8年分を7月1日に公開しました。
土地の評価は、基本的に次の考え方です。
路線価 × 土地の面積 × 補正率
補正率とは、土地の形や奥行きなどで調整する割合です。
角地、旗ざお地、奥行きが長い土地などは評価が変わります。国税庁も、路線価に画地調整率と地積を乗じて評価すると説明しています。
2. 福岡国税局管内の注目ポイント(各税務署管内の最高路線価)
| 地域 | 令和8年分 | 令和7年分 | 変動率 |
|---|---|---|---|
| 福岡市中央区天神2丁目・渡辺通り | 992万円 | 968万円 | +2.5% |
| 福岡市博多区博多駅前2丁目・住吉通り | 744万円 | 737万円 | +0.9% |
| 福岡市早良区西新4丁目・明治通り | 160万円 | 146万円 | +9.6% |
| 春日市春日原北町3丁目・春日原駅前通り | 58万円 | 50万円 | +16.0% |
| 佐賀市駅前中央1丁目・駅前中央通り | 27.5万円 | 23.5万円 | +17.0% |
| 長崎市浜町・浜市アーケード | 80万円 | 79万円 | +1.3% |
天神(福岡税務署管内)は引き続き高い水準です。
一方で、春日市(筑紫税務署管内)や佐賀市(佐賀税務署管内)などの路線価の上昇率も注目です。
「中心部だけ見ておけばよい」とは言いにくくなっています。
3. 令和7年分との比較で見えること
今回の特徴は、福岡市中心部の高止まりと、周辺都市の上昇です。
たとえば春日市(筑紫税務署管内)の最高路線価は16.0%上昇しました。
佐賀市(佐賀税務署管内)の最高路線価も17.0%上昇しています。
これは、相続税の試算に影響します。
特に、昔から土地を持っているご家庭では注意が必要です。
購入価格が安くても、相続税評価額は今の路線価で見ます。
4. 相続税・贈与税への影響
路線価が上がると、土地の評価額も上がりやすくなります。
その結果、相続税の基礎控除を超える可能性があります。
相続税は、正味の遺産額が基礎控除額を超える場合にかかります。
基礎控除は、3,000万円+600万円×法定相続人の数です。申告・納税期限は、通常、亡くなったことを知った日の翌日から10か月以内です。
贈与税も同じく注意が必要です。
暦年課税では、1年間にもらった財産の合計から110万円を差し引いて計算します。110万円以下なら原則として贈与税はかかりません。
ただし、土地の贈与は評価や登記費用も関係します。
「節税になりそう」で進める前に、必ず試算しましょう。
Q&A
Q. 路線価が上がると必ず相続税も上がりますか?
必ずではありません。
借入金、葬式費用、小規模宅地等の特例などで変わります。
小規模宅地等の特例は、一定の自宅や事業用土地について、限度面積まで評価を減額できる制度です。特定居住用宅地等では330㎡まで80%減額の対象になります。
Q. 福岡で相談が増えそうな方は?
天神、博多、西新、春日原周辺などに土地を持つ方です。
佐賀市中心部や長崎市中心部の土地所有者も確認したいところです。
Q. 贈与で早めに渡せば節税になりますか?
なる場合もあります。
ただし、相続時精算課税、登録免許税、不動産取得税、将来の相続税を含めて確認が必要です。要確認です。
ケーススタディ
福岡市近郊に自宅土地を持つAさん。
令和7年までは相続税が出ない見込みでした。
しかし、令和8年分の路線価で試算すると、土地評価が上昇。
金融資産も合わせると、基礎控除を少し超えました。
この場合、あわてて贈与するのではなく、次を確認します。
まず、土地の正しい評価です。
次に、小規模宅地等の特例が使えるかです。
最後に、納税資金をどう用意するかです。
この順番を間違えないことが大切です。
アクションプラン
まず、国税庁の財産評価基準書で自宅や所有地の路線価を確認します。
次に、固定資産税の通知書、土地の面積、登記簿を準備します。
最後に、相続税・贈与税に強い専門家へ試算を依頼します。
土地評価は、見た目より複雑です。
間口、奥行き、道路づけ、貸している土地かどうかで変わります。
早めに確認すれば、無理のない節税や納税準備につながります。
令和8年分の路線価を見て、「相続税がかかるか不安」、「贈与した方がよいか迷っている」、「福岡・佐賀・長崎の土地評価を確認したい」という方は、どうぞお問い合わせください。
相続税・贈与税に強い視点で、ご家族の状況に合わせて丁寧に確認します。








